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広島市内といっても自然が豊か
わが家の動物誌

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 私の実家は広島市内にあるが、これまで動物記でも書いたようにいろいろな動物との出会いがある。そこで、これまでにわが家にやってきた動物たちについてまとめてみたい。

タヌキ
 近年、最も訪問回数が多いのがタヌキ。私が子供の頃は稀に目撃する程度だったが、大学生の頃くらいから、時々庭に現れるようになり、近年は夏になると必ずといっていいほど出てくるようになった。お目当てはわが家の菜園。トマトなどに被害が及ぶようになったのでネットで防護しているが、それでも何とか食べようとして出没する。以前は昼間から来ていたが、最近はもっぱら深夜専門。センサーライトを時々点灯させ、ガサゴソ音がするので寝ていても来たことがわかる。わが家にとってタヌキは大切な菜園を荒らす害獣。そこで正しく「タヌキ」と呼んでやる必要はないというわけで、わが家では「タヌ」と省略して呼ばれている。正しい名前で呼ばれない可哀想なタヌキども。いや、より正しい名前となると本当はホンドタヌキかな。心を入れ替えて、わが家の菜園を荒らさなくなれば、正式名称で呼んでやるぞ。

実家の菜園に許可もなく立ち入る、実にけしからんタヌキ。大学生の時に撮影

キツネ
 キツネはさすがに少ない。小学生の頃、夕方、母と家に帰ると、玄関の前にキツネが一匹、ぽつんと立っていたことがあった。近づくとすぐに逃げてしまったが、比較的近い距離から見た。ほかに2度、3度、実家の周辺でも見たことがある。それも中学生以降は出てきていない。また高校生の頃、夜、ふと窓の外を見ると、下の道路に何かの動物がいた。何だろうと双眼鏡を取り出して見ると、街灯に照らされた姿はキツネのように見えた。久しぶりだな〜と感動して、さらにじっくり見てみると、実はキツネ顔の野良イヌだった。イヌには責任はないが、無性に腹が立った。紛らわしいんだよ、まったく!

ノウサギ
 かつて実家の裏山には、ノウサギが多数棲息していた。子供の頃、近所に住む親戚と弁当持参で出かけると、中腹の斜面にはノウサギのふんがたくさん落ちていたのを覚えている。生息地に近いせいか、わが家にも稀に姿を見せていた。いづれも私が幼稚園〜小学生の頃。庭先で母が近所の人と話していたら、目の前をノウサギが走り抜けたこともあった。もう数十年も実家やその周辺では見ていないが、裏山はそれほど改変されていないので、今もある程度は棲息しているかもしれない。

イノシシ
 動物記「ニホンイノシシ」でも書いたが、幼稚園〜小学生の頃には、時々、裏のヤブをカザゴソいわせていた。ただし当時も目撃したことはなかった。今はまったく出てこない。

ジョウビタキ
 ツグミ科の野鳥で、メスはご多分に漏れず地味な色あいだが、オスの腹はオレンジ色で羽には白斑があって、きれいな鳥だ。世代交代はしているのだろうけど、昔からわが家周辺をテリトリーにしていて、早春に庭先で尻尾をしきりに上下させて縄張りを主張している。冬鳥なので一時期しか見れないが、毎年、来るかどうか気になる存在だ。ところで都道府県の鳥というのがそれぞれの都道府県単位で選定されているが、わが家ではジョウビタキを「日野家の鳥」として勝手に選定している。@容姿がきれい、A小さくてかわいらしい、B害虫を食べてくれる、C昔からわが家をテリトリーにしており浅からぬ関係がある、というのが選定理由だ。「日野家の鳥」として選定までしてやっているのに、時々、2階の窓の手すりにふんを落とすのは困ったものだ。あまり続けていると選定を取り消すぞ。ちなみに「日野家の花」には植物記で書いたマイヅルテンナンショウ、「日野家の木」にはブナが選定されている。他人には、どうでもいい話だろうけど。→動物記「ジョウビタキ」参照。

キジ?
 これも小学生の時の体験。朝6時ごろ母に起こされた。隣の空き地にキジが来ているという。2階の窓からそっと覗くと、キジのメスらしき鳥が数羽のヒナを連れていた。草地の中をキジが歩いている光景は、珍しいものを見た、という感想をともなってくっきり記憶に残っている。だが、今にして思うと、キジだったのか、ヤマドリだったのか判然としない。オスどうしなら区別がつくが、メスはよく似てるし。→動物記「キジ(T)」「キジ(U)

カメ
 甲羅の長さが20センチくらいあるカメが、何度か庭に現れたことがある。いずれも幼稚園〜小学生の頃のこと。どこから来たのかカメに聞かなかったのでわからないが、近くにため池もあったので、そこから出てきたのかもしれない。わが家の庭にノソノソやってきて、数十センチの段差があるとギリギリまで進んでから頭と手足をひっこめて、バタンと下に落ちていた。一度は、バケツに入れて幼稚園に持って行ったこともあった。すると偶然、別の園児も同じようなカメを拾って持って来ていて、びっくりした。そんな思い出もある。その時のカメは、翌日庭先に放した。今にして思えば、カメも1日連れ回され、えらい迷惑だったろうな。

カブトムシ・クワガタムシ
 近くにクヌギの森もあったので、夏にはカブトムシやクワガタムシもやって来た。カブトムシはなぜかは知らないが、うちに来るのはほとんどメスばかり。オスは1度か2度くらい。一方、クワガタムシは主にノコギリクワガタが、オス、メス両方来た。夕方、庭先で見つけたこともあったし、夜網戸に張り付いていたこともあった。

その他
 ほかには動物記「オニヤンマ」「コゲラほか」「セミ」「クロアゲハ」「アゲハチョウの羽化」「クマバチ」「アリ」「ルリビタキ」「メジロ」「モズ」「アリジゴク」「クマゼミ」参照。


 
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