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猪突猛進が得意?
ニホンイノシシ
Sus scrofa leucomystax
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 一部の山を除き、山ではイノシシを見かけることは少ない。カモシカのような山岳地というよりも里山的な場所に多いからだろうか。私が最もよく見かけたのが神戸市の六甲山。近年は市街地にも平気で出没するようになり、市民が襲われる事故もあるほどだ。一部の人が「エサがなくてかわいそうだから」と条例を無視して餌付け行為を繰り返していることが大きな原因だろう。こういう人たちというのは、長い目で見れば動物自身のためにもならないことを理解できないのだから、どうしようもない。薄っぺらな慈愛の心は、時に百害あって一利なし、なのである。

 六甲山はあちこちに足を運んだが、イノシシは確かによく見た。あるマイナーコース途中で昼食を食べていたら、上の方から下ってくる動物の足音が聞こえきた。イノシシだな、と思っていたら、案の定そうだった。そいつは、何もいないと安心していたら人間がいたので、びっくり。大慌ててでUターンしてヤブの中を逃げていった。イノシシといえば「猪突猛進」だが、いつもそればかりではないようだ(笑)。一方で、人間を見てもまったく警戒しないイノシシも確かにいて、六甲山山頂近くにいたイノシシの群れは、近い距離からカメラを向けても、まったくしらんぷりだった(下の写真)。市街地にまで平気で出てくる個体と、そうでない個体がいるのだろうか。
 イノシシといえば子供のころ、自宅周辺にも生息していた。ただ昼間に姿を見せたことは皆無で、夜に裏山のヤブをガサゴソいわせる程度だが、見たことがないだけに非常に怖い動物と思っていた。当時は、まだかなりの数のイノシシがいて、私が幼稚園のころは、近くにイノシシをとらえるための大きな檻があったことを記憶している。



神戸市・六甲山山頂で見かけたニホンイノシシ
の群れ


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高知県土佐清水市・足摺岬で見かけたニホンイノシシの子供(ウリ坊)




 
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Nature
動物記