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今年はキジバトとヒヨドリが同時に
庭の木に巣をかけた鳥たち2

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 今年2006年の初夏、わが家の庭の木に鳥の巣がほぼ同時にふたつかけられた。ひとつはキジバト。いつの間にかクロガネモチの木に割と大ざっぱな巣を作り、じっと動かないので抱卵しているように見受けられた。しかし巣は高さ2.5mほどの位置にあるので卵があるかどうか見ることができない。そこで親鳥が留守のすきに小型三脚の先にビデオカメラを取り付け、三脚の下部を持ち上げて巣の中を撮影してみた。すると、やっぱり。白い卵がひとつ写っていた。
 ところで本項・動物記「庭の木に巣をかけた鳥たち1」でも書いたが、ハトも近くに人がいると固まったように動かなくなる。実は下から見ると親鳥の姿は丸見えなのに動かなければ見つからないとでも思っているようだった。だから「あのさぁ、念のためいっとくけど丸見えだよ」と教えておいたが、趣旨が伝わったかどうかは不明だ(笑)。

 さて、もうひとつの巣はヒヨドリのもの。昨年は庭のブナに巣を作ったが、今年は裏のヤブツバキの木に作った。父が巣があることを知らずに邪魔な木を1本切ったところ、鳥の巣があったのでびっくり。しかも中にはまだら模様の薄いピンク色の卵まである。巣を発見した時、卵はひとつだけだったが、伐採した木の下に残りふたつが割れずに落ちていた。そこでそっと巣に戻し、木は再び元の位置の地面に突き刺し、念のためロープで周囲の木と結んで固定しておいた。照葉樹なので、すぐに葉が枯れて落ちることもないだろうから、まだしばらく巣は葉に隠れたままになるだろう。
 巣の位置が変わっているので警戒するのではないかと心配したが、今まで通り巣に戻り抱卵を続けているようなのでひと安心した。今年の巣は、昨年のものよりもビニールひもをうまく使って手がこんでおり、きれいな造り。しかも巣の外側にはビニールひも、内側には草や小枝と素材を使い分けていた。外側には軽くて丈夫なビニールひもを利用するが、大切な卵が当たる内側には天然素材にこだわったというわけだろうか。偶然とは思えない明らかな素材の使い分けに感心しながらも、妙におかしかった。


 
三脚をのばして閉じたまま、手で持ち上げてタイマー撮影したので画面が斜めになってしまったが、クロガネモチの木に作られたキジバトの巣。中には白い卵がひとつ(左)。素材の使い分けが見事な今年のヒヨドリの巣。中には卵が3つ(右)。

 
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