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広島県の西条盆地で見出された
サイジョウコウホネ
スイレン科
Nuphar × saijoensis
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  池や沼に生えるスイレン科コウホネ属の多年草。名前は、基準産地である広島県の西条盆地に因むが、佐賀県にも分布する。コウホネ(Nuphar japonicum )とベニオグラコウホネ(N.oguraensis var. akiensis )の雑種とされ、コウホネの柱頭盤が黄色いのに対して、本種は紅色。ただし、西条盆地には溜め池が多く、本種やコウホネのほかに、やはり柱頭盤が赤いベニオグラコウホネも自生しており、同定時は注意が必要だ。
 水上葉は長さ12〜20センチの卵形。6〜9月に水面上に花茎をのばして径3〜6センチの花をひとつ咲かせる。花弁に見える部分は萼片。本当の花弁はその内側に並ぶ。

 写真は、東広島市内の溜め池で撮影したサイジョウコウホネである。池畔から眺めると、水面の一角にサイジョウコウホネらしい黄色い花が群れているのが見えた。しかし、距離があり近づけない。望遠レンズで拡大できないこともなかったが、水平方向からカメラを向けても、特徴のひとつである赤い柱頭盤が見えるように写すことも不可能。そこで溜め池の反対側にまわってみると、酒屋が経営する月極有料駐車場だった。勝手に立ち入るわけにもいかないので、入口に立つ酒屋で事情を話すと、快く「どうぞどうぞ」。お蔭で少し高い位置から赤い柱頭盤が見えるように撮影できた。

関連情報→本サイト植物記「ネムロコウホネ」「ウリュウコウホネ」「ベニオグラコウホネ



:溜め池の水面を覆うサイジョウコウホネ。広島県東広島市八本松にて。


水面から突き出した花。葉はベニオグラコウホネよりも大きい。撮影地は、上写真と同じ。


花のアップ。中心の赤い部分が柱頭盤。外側の花弁に見える部分は萼片。そのすぐ内側に並ぶ「へら状」の部分が、本当の花弁。花弁と柱頭盤の間に並ぶのは雄しべ。広島県東広島市・広島大学東広島キャンパス内の「発見の小径」にて。ここのサイジョウコウホネは植栽品だが、比較的間近に見れるのがうれしい。特にこの時は、偶然、岸辺に接するように咲く花があり、このようにアップ撮影が可能となった。


  
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