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漢字で書けば「塩竈」
シオガマギクのなかま

ゴマノハグサ科
Pedicularis
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 シオガマギクのなかまには、花が美しいものが多い。シオガマとは漢字で書けば「塩竈」。これは海水から煮詰めて塩を作るかまどのことで、「浜で美しい」ことから「葉まで美しい」をかけて命名されたという説がよくいわれる。だが、かまどが何で浜で美しいのか、今ひとつピンと来ない。
 ところでシオガマギクのなかまで、一番有名なのは高山植物として見る機会も多いヨツバシオガマだろうか。変種として北海道〜東北地方に分布するキタヨツバシオガマ(ハッコウダシオガマ)や、上唇が濃く下唇が淡色のクチバシシオガマなどがある。ほかにも高山植物としてはタカネシオガマ、ミヤマシオガマ、キバナシオガマ、エゾシオガマ、オニシオガマ、ネムロシオガマ、ヤクシマシオガマなどがあり、いづれもきれいな花を咲かせる。
 一方、全国の山にはシオガマギク、中部地方の山にはセリバシオガマ、中部地方以北の山にはトモエシオガマ、関東地方〜東海地方の山にはハンカイシオガマ、さらに全国の標高の低い場所にはコシオガマが分布している。
 シオガマギクのなかまで、いつか見てみたいのはベニシオガマ。サハリンと北海道の利尻山にしかなく、利尻山とて極めて個体数が少ない稀産種だ。

関連情報→本サイト植物記「ネムロシオガマ」「ハンカイシオガマ」「セリバシオガマ



早池峰山に咲くミヤマシオガマ。タカネシオガマと似ているが、本種は写真のように花冠の上唇がくちばし状になる(タカネ〜は、くちばし状にならない)。

 @  A  B  C
@ヨツバシオガマ/岩手県・早池峰山。Aクチバシシオガマ/北アルプス・針ノ木岳。Bキタヨツバシオガマ/北海道・夕張岳。Cタカネシオガマ/群馬県・至仏山。

 D  E  F  G
 H  I  
Dエゾシオガマ/北アルプス・針ノ木岳。Eシオガマギク/北海道・夕張岳。Fキバナシオガマ/北海道・大雪山系 北海平。Gオニシオガマ/北アルプス・兵馬ノ平。Hハンカイシオガマ/丹沢・行者ケ岳。Iコシオガマ/山梨県・岩殿山。

                                     

  
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