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鮮やかな花を開くバラのなかま
ハマナス

バラ科
Rosa rugosa
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 ハマナスといえば、北海道の海岸に咲くイメージが強いが、実際は本州にも分布し、青森から太平洋岸は茨城県まで、日本海岸は島根県にまで分布している。園芸用のバラと同属で、鮮やかな目立つ花を咲かせ、いい香りがある。晩夏には、径2〜3センチの扁球形の果実が実る。この果実を梨に例えて「浜梨」だったものが、訛ってハマナスになったなどの説がある。果実はビタミンCを含み、食べられる。

 以前、青森県・津軽半島にある25000年前の「最終氷期埋没林」を訪ねた時のこと。砂地の道をたどると、埋没林がある海岸に出た。海岸の崖に続く埋没林も興味深かったが、その周辺の砂浜に咲き競うハマナスも印象的だった。誰もいない静かな浜辺で、潮風を受けながら鮮やかな花が揺れていた。



ワッカ原生花園の遊歩道を鮮やかに彩るハマナス。北海道北見市。


北海道・オムサロ原生花園に咲くハマナスの花(左)と同じく北海道の浜勇地園地で見かけた果実(中)。茎には刺がいっぱい(右)。

  
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Nature
植物記