花弁の縁はブラシのよう
シラヒゲソウとオオシラヒゲソウ
ユキノシタ科
Parnassia foliosa var. nummularia
Parnassia foliosa var. japonica
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シラヒゲソウは、湿地や湿原に生える多年草。フラワーシーズンを過ぎた8月後半〜9月ころ、ひっそりと湿原に咲いているのを見かける。9月ともなれば、湿原は夏と秋との端境期。ほかに花も少なく、地味な湿原景観にがっかりしていると、ふと足元の草むらの中にシラヒゲソウがあったりするとうれしくなる。縁がブラシのように細かく裂けた花が特徴的。群馬県のある山では、湧き水で常時濡れている岩壁にも生えていたし、広島県のある湿原では、湿原そばを抜ける狭い舗装車道沿いにも点々と咲いていた。
また日本海側の山地に分布するオオシラヒゲソウは、シラヒゲソウに似ているが、花も葉も大きく、見る機会はごく少ない。写真は、戸隠高原の山中で見かけたもの。何となく気になって、あるコース途中から、誰も入ることがない小径に少しだけ入ってみたところ、苔むした石の間に数株が、シラヒゲソウよりもひとまわり大きな花を自慢そうに広げていた。こういう出会いは一種の勘によるもの。偶然といえば偶然なのだが、意外とそれによって見つけることも多い。もしかするとオオシラヒゲソウが、害がないのを知って私を呼んでくれたのだろうか。私は盗掘なんてしないから、ほかの植物からも、もっと呼ばれたいものだが。
初秋の池ヶ原湿原に咲くシラヒゲソウ。
シラヒゲソウよりも花が大きいオオシラヒゲソウ。長野県戸隠高原にて。
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