<<前のページ | 次のページ>>
古代中国の武将・樊噲に因む
ハンカイシオガマ
ゴマノハグサ科
Pedicularlis gloriosa
…………………………………………………………………………………………………

  ゴマノハグサ科シオガマギク属の多年草。フォッサ・マグナ要素の植物で関東地方と東海地方の深山に生え、高さ50~90センチにもなる。図鑑の記述では、「全体が壮大なので、中国の武将・樊噲に喩えた」とあるが、ひょろりとのびる茎は細く、いくら草丈が高くても筋骨隆々とした武将を連想するにはほど遠い。羽状深裂する葉は対生し下部に集まる。8~9月に茎の先に数個の紅紫色の花冠を輪生状に付ける。

 写真は、15年以上前の9月下旬に丹沢山系の登山道沿いで見かけたハンカイシオガマである。草姿のバランスはあまりよくないが、出会える頻度は高くないので、遭遇したらぜひカメラを向けたいところだ。

関連情報→本サイト植物記「シオガマギクのなかま



重そうな花序を立ち上げたハンカイシオガマ。神奈川県秦野市・丹沢山系。



花冠は紅紫色で長さ約3センチ。萼筒の先は5裂する。同じく丹沢山系。


蕾(左)と羽状に裂ける葉(右)。どちらも山梨県富士河口湖町・三ツ峠山。




  
 CONTENTS 
 
   
 

Nature
植物記