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南アルプス南部などに分布する
ヤマイワカガミ

イワウメ科
Schizocodon intercedens

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 念のために先に書いておくと、全国の山地帯から亜高山帯で普通に見かけるイワカガミ(S. soldanelloides )とは別種である。本種は、南アルプス南部や富士山など、分布は中部地方と東海地方に限られる。
 私は以前から名前を知ってはいたが、先日(2012年5月)、天竜川上流の山で初めて見かけた。稜線の一角にかなり群生しており、早速撮影を開始したのだが、ほどなくポツポツと大粒の雨が落ちてきて、霰も混じり始めたので途中で切り上げた。
 イワウメ科イワカガミ属の常緑の多年草。針葉樹林下に生え、イワカガミやヒメイワカガミが緩い起伏の鋸歯であるのに対して、本種は先が尖った明瞭な鋸歯となる。5〜6月、花茎の先に白花を数個咲かせるが、山梨県南部では紅花品も見つかっており、これをベニバナヤマイワカガミ( f. rosea )と呼ぶ。

関連情報→本サイト植物記「イワカガミ」「アカバナヒメイワカガミ」「ヒメイワカガミ



静岡県浜松市・岩岳山で見かけたヤマイワカガミ。花は白色だが、萼は赤味を帯びる。



葉には先が尖った鋸歯がある。



  
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