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普通種だが実家では初見
ニホンアカガエル
Rana japonica
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  先日、菜園でハブソウチャの苗を移植していたときのことだ。ふと、後を振り返ると、私の方に向かって赤いカエルがぴょんぴょん飛んできた。あれ? 赤いカエルなんて珍しいなぁ。ここ20年くらいの間に実家で見かけたのは、ニホンアマガエル、シュレーゲルアオガエル、トノサマガエルの3種のみ。いずれも緑色のカエルだ。こんな赤いカエルは見たことない。母に聞くと、家を建てて以降、ここで赤いカエルは初めてだという。

 カエル図鑑で調べると、ニホンアカガエルのようだ。日本固有種で、本州から九州に広く分布している普通種だが、我が家では初見。いや、子どもの頃から近所も含めて思い返しても赤いカエルを見た記憶はない。
 しかも図鑑の体色記述には、「黄土色から赤褐色までさまざま」とあるが、掲載されている写真と比較しても、赤に近い体色を持つ個体であるといえそうだ。

 それにしても実家に初見の本種がいたことはどう考えればいいのだろうか? 周辺は特に環境が悪化している事実もない代わりによくなっている印象もないが、以前は生息していなかったヒグラシが定着したように、ひょっとすると昆虫に限らず、さまざまな生物が数年〜数十年くらいのスパンで、その一部が入れ替わったりしているのかもしれない。生物の分布って人為的影響を排除しても意外と動的であるともいえるわけで。


関連情報→本サイト動物記「青いニホンアマガエル」「ニホンアマガエル」「モリアオガエル




個体によっては、前脚や後脚の模様がはっきり現れるものも多いようだが、この個体の模様はかなり薄い。



背中に2本平行に走る背側線がほぼまっすぐなので、ニホンアカガエルと見てよさそうだ。これが鼓膜の後ろで外側に曲がっていたらヤマアカガエルだろうけど。



それにしても赤みが強い個体だ。念のためにいっておくと、画像データで色調を変更するようなことは一切行っていない。



 
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