山岳地の池沼で白い卵塊を作る
モリアオガエル
Rhacophorus arboreus
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モリアオガエルといえば、山岳地の池沼水面に張り出した木の枝などに白い泡状の卵塊を作るカエルとして有名。この卵塊は、メスの背中にオスがしがみつき、産卵と受精が始まると同時に粘液が分泌され、これを後脚でかき回して作られる。泡の中に産み付けられた卵は1週間ほどで孵化し、雨で泡が溶けるとオタマジャクシは下の水面にポトンと落ちるというわけだ。
モリアオガエルの卵塊は山岳地の池沼では割とよく見かけるが、成体と遭遇する機会は少ない。先日、別の目的で訪れた山で、たまたま卵塊を見かけ、付近の枝を探索してみると、あっさり成体を発見。好都合なことに長靴を履いていたので沼の中に入って間近から撮影できた。といってもあまり近づきすぎると、ジャンプして逃げられたが…。
関連情報→本サイト動物記「青いニホンアマガエル」「ニホンアマガエル」「ニホンアカガエル」
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島根県津和野町で見かけたモリアオガエル(他の写真も同様)
卵塊の泡を作るモリアオガエルの集団。おそらくメスは一匹だけで、まわりに群がっているのはオスだろう。
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卵塊から逆さ吊りになった成体を見つけた。固まりかけた泡に脚をとられ、逃げ出す前に泡が固まってしまったのだろう。体表は半分、干からびていたが、まだ生きていた。かわいそうに思い、木の枝で卵塊の脚付近を何度も引っ張ったりしてみたが、固まった泡は意外にも強力で、卵塊と脚を切り離すことはできなかった。 |
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