<<前のページ | 次のページ>>
鈴鹿・御池岳に定着した移入動物
チョウセンシマリス

Tamias sibiricus barberi
………………………………………………………………………………………………

 日本国内でシマリスといえば、北海道に棲息するエゾシマリスを指す。つまり野生動物としてのシマリスは、国内では北海道にしかいないわけだ。ところが、本来は朝鮮半島に分布するチョウセンシマリスが、ペットなどとして持ち込まれ、逃げ出したり放されたりして本州の一部地域で野生化している。
 そのひとつが、三重県と滋賀県にまたがる鈴鹿山脈の御池岳。コグルミ谷では、割と頻繁にその姿を目撃し、撮影も比較的容易だった。人間に対してあまり警戒心が高くなくて、近くから見ていても平気で背を向けて木の実をかじり続けたり、目の前の木から下りてきたりもした。
 愛らしい姿に癒されるかもしれないが、やはり結局は、御池岳にいるべきではない移入動物に過ぎず、生態系保全の観点から好ましくない。エゾシマリスとチョウセンシマリスはどちらもユーラシア大陸に広く分布するシベリアシマリスの亜種にあたり、近い仲間に違いはないが、環境省は本種を「要注意外来生物」に指定している。

関連情報→本サイト動物記「エゾシマリス

 

御池岳・コグルミ谷のチョウセンシマリス(上・下とも)






 
 CONTENTS 
 
   
 

Nature
動物記