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羽化したばかりの透明な身体
ガガンボ

Tipulidae sp.
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 ガガンボとは、たまに家にやってくる蚊みたいな虫。といっても蚊よりもはるかに大きく、特に脚がやたら長くて種類によっては全身が掌と同じくくらいの寸法がある。ガガンボ科に属し、いろいろ種類もあるようだが、同定は難しそう。「大蚊」と書いて「ガガンボ」と読むらしい。蚊のように吸血することはない。

 今月(2016年4月)中旬、実家の庭にあるブナの幹に虫が貼り付いているのを見つけた。よく見るとガガンボのようだ。だが、全身が白くて一瞬「アルビノか?」…と思いかけたが、複眼が黒いのでアルビノではないのは明白。羽化したばかりなのだろう。
 顔を近づけて観察すると、腹部は白く向こう側が透けて見える。消化器官も白くて腹部の下部にまとまり、腹部の上部には何もないように見えた。身体の大きさに対して頭は小さく、黒い複眼が表面の半分くらいを占めている。
 身体を早く乾燥させるためか、「腕立て伏せ」のような動きを繰り返していた。しばらくして行ってみると、全身が薄茶色に変わり、腹部も縮んで短くなっていた。ガガンボって知っているのは名前くらいで、羽化したての姿も初めて見たなあ〜。

 

実家のブナの幹にとまる羽化したてのガガンボ。腹部の上半分は透明に見える。



上の写真の拡大。身体に対して小さな頭。その頭部の半分くらいを占める複眼。胸部の末端から突き出す「柄の長い団扇」みたいな器官はどんな役目があるのだろうか?



上の写真を撮った3週間後、そのすぐ近くで再び、ガガンボを見かける。同個体かどうかは不明だが、種類は同じようだ。それにしても脚が長い…



接写ストロボとマクロレンズで撮影。こうして見ると、結構グロテスクな姿をしている



上の写真の拡大。胸部末端の「柄の長い団扇」みたいな器官に注目




 
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