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山で遭遇した意外な人たち 北海道・後方羊蹄山など

撮影年月日:1995年7月22日など

 山で登山者と遭遇するのは当たり前だが、稀にそうではない意外な人たちと出会うことがある。私がこれまで体験した例を話そう。

●自衛隊
 北海道の後方羊蹄山に登った時、自衛隊の人たちに遭遇。それもひとりやふたりではない。数十人、いや百人くらいはいたかもしれない。もちろん全員制服姿で、ちょっと身構えてしまったが、すれ違うときも明るく挨拶され、休んでいる人たちからは「どこから登ってこられましたか?」と聞かれたので少し立ち止まって話もした。これも訓練の一環なのだろうか。そういえば、登る途中にも後から自衛隊の人が1人だけ登ってきたのだが、スタスタという感じで私を追い抜き、あっという間に見えなくなってしまった。うーん、さすが。


後方羊蹄山山頂部の登山道を歩く自衛隊のみなさん


●山岳救助隊
 山が活動の場だから山で出会うのは当たり前だが、普段見かける機会は極めて稀だ。一度だけ奥多摩の御前山で出会った。詳しくは本サイト「山岳記 遭難救助現場」参照。

●スーツ男
 高尾山の6号路を下山中に遭遇。きちっとしたスーツに黒革のカバンを手にもち、登山道と何ら変わりない6号路を登ってくるのを見かけたのだが、一体、何の目的があるのか? 登山道にスーツはすごく違和感があったが、本人はまわりの視線も意に介してもいないようだった。高尾山山頂一帯にある土産物屋や薬王院に営業目的で来たというわけか。それとも仕事で山麓までやってきて無性に山に登りたくなったのだろうか。前者なら普通はケーブルカーかロープウェイを使うだろう。実は以前にも、私は同じ6号路でスーツ男を目撃している。スーツで高尾山に登るのを趣味にしている人が何人もいたりして。まさか。

●スカート女
 大学生の時、西穂の稜線で見かけた。さすがに足元はハイヒールではなかったが、連れの男性もTシャツにジーパン姿で、ふたりしてアルペンムード抜群の場所で異様に浮いていた。当然、新穂高ロープウェイで登ってきたんだろうけど、その格好で稜線まで来ようと考えるチャレンジ精神(?)には脱帽。こんな人たちに「山を甘く見ている」といったところで、きっと馬耳東風なんだろうな。

●バスガイド
 昨年2005年夏、乗鞍岳の剣ヶ峰登山道でスカート姿のバスガイドと運転手各2名が下りてくるのに遭遇。その格好で標高3000mを越える剣ヶ峰山頂まで行ったの? よかったねぇ。天気が急変しなくて。彼らに対する感想は上に同じ。


乗鞍岳・剣ヶ峰登山道をスカート姿で下山してきたバスガイド。左側はバス運転手。


●紙袋おばさん
 鬼怒沼湿原で遭遇。早朝、女夫淵温泉を出発し、長時間歩いて鬼怒沼湿原まであと少しという頃。湿原の方から紙袋だけ手に持ったおばさんが下ってきた。「おはようございます」と挨拶すると、普通にかえしてくれたが、本当は「荷物はそれだけですか」と聞きたかった。おそらく加仁湯か日光沢温泉で一泊し、朝早く出発して鬼怒沼湿原目指してやって来たというわけだろうけど、それにしても紙袋だけというのにはまいった。しかもその紙袋は見たところ軽そうに見えた。まるで商店街に買い物に来ましたっていう格好。おばさん、おそるべし。

●その他
 ほかにも私は究極の意外な人との遭遇体験がある。この話は、ここではなく本サイト「山岳奇譚」の方でいずれ紹介したい。だからといって身体が半分透けてるって類の人じゃなくて、現実の人間なんだけどね。




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