Nature
山岳記
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苔の道 富士山・お中道

撮影年月日:2002年9月25日

 深い森の中に続く道では、時にその林床をびっしりと苔が覆っていることがある。そんな道は味わい深く、苔の緑が目に優しい。有名なのは屋久島の白谷雲水峡にある「もののけ姫の森」(その後、この名称は使用されなくなり、現在は「苔むす森」という表示になっている)。アニメ映画「もののけ姫」のモデルにもなった森で、岩や倒木などがさまざまな種類の苔や地衣類で覆い尽くされている。ほかにも北八ヶ岳や櫛形山などの深い針葉樹林にも苔の道がある。
 写真は富士山の中腹を一巡している「お中道」で撮影したもの。こんな道がずっと続くわけではないが、しっとりとした苔の道を楽しめる区間がある。
 

富士山・お中道の途中にある「苔の道」。



長野県上田市・美ヶ原。焼山沢沿いの苔むした道。

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滋賀県東近江市。鈴鹿山脈・御池岳の元池分岐周辺はびっしりと緑一面の苔に覆われ、登山道もその中に続いている。手前の鈴北岳直下にも見事な苔群落がある。通常、日当たりや風通しのいい場所には苔は生育しにくいものと思うが、ここはカルスト台地ということも関係しているのか、おそらく雨水が地下に浸透しにくく、こんな開放的な場所でも湿潤な環境を維持できるのだろう。

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新潟県妙高市・燕温泉の上流にある惣滝に続く断崖の道。ここにもほんのちょっとだけ「苔の道」区間がある。地熱の関係か、付近の斜面は温度が少し高いようで、それが苔の生育を助けているのかもしれない。多雪地域の山で、しかもこんな砂地の谷間に、これほどの苔があるのは珍しいのではないか。ちなみにカメラの向きは燕温泉側。滝があるのは背後。

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同じく惣滝に続く道(上写真の手前燕温泉側)。ここから上写真の場所まで苔がしばらく続く。断崖に付けられた細い道で、スリル満点。



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