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山で起きた事件 京都府京都市左京区・木の根道

撮影年月日:2001年12月5日

 本項・山岳記196「山で見かけた変わったもの13」や山岳記197「山で遭遇した超意外な人」で、山は時に犯罪の舞台になることを書いたが、今回は別の側面のことを書こうと思う。一見すると、のどかで安全そうに見える山も絶対に安全とは言い切れないことを若い人(特に女性)は少しは認識しておいた方がいいと思う。

 もう何年も前のことだが、ある山の登山道上で発生した事件をテレビで取り上げていた。被害に遭ったか、未遂だったかは忘れたが、登山者が脅されてお金を要求されたというのである。山で犯罪に巻き込まれる機会は極めて稀だと思うが、決してゼロではなく、山にいる人が全員いい人ばかりとは限らない。そもそも登山者自体、みんないい人というのは幻想に過ぎない。実際、山の世界で仕事をしている人の中にも変な人は割といる、というのが私の経験上の印象である。

 また今の登山者はまったく知らないと思うが、過去には次のような事件も現実に起きている。舞台は某県にある山小屋。そこはスタッフが何人もいる規模の大きな小屋ではなく、小屋番が一人で切り盛りしているタイプの小さな小屋。そんなある日、小屋に泊ったのは、たまたま単独行の女性が一人だけだった。小屋番の男性が、深夜に宿泊客である女性を強姦して殺害。遺体を小屋の床下に埋めた。そんなおぞましい事件が、日本国内で本当にあったなんて、みなさんは知らないでしょう。その小屋は今でも営業しているが、たぶん経営者は替わっていると思う。ちなみに全国的に知られている山にある小屋で、私は小屋の名前も知っているが、もちろんそれをここで書くわけにはいかない。現在の経営者にしてみれば、そんな過去の殺人事件を蒸し返してほしくないだろうが、一方で「登山者も山岳関係者もみんないい人」と、根拠のない性善説に立った勘違いをしている脳天気な登山者もいっぱいいると思うので、釘を刺す意味で取り上げることにした。

 ほとんどの登山者は、山岳雑誌こそ山情報の権威だと思い込んでいるわけだが、広告クライアントに山小屋が多い媒体という性質上、過去に山小屋であった事件を積極的に取り上げたりするわけがない。同じようにほかのことでも山岳雑誌が発出する情報だけ見ていては、現実に山の世界で人知れず起きている本当のことはわからない、ということに気づいた方がいい。

 山ガールブームが今も続いているのかどうか知らないが、ちょうどブームの最中には、北アルプスのような山でも単独行の20~30代の女性と出会うことが時々あった。北アルプスは登山者が多いのでマシだが、どんな山であっても、女性の単独行はあまり好ましくないと思う。




京都市左京区の鞍馬寺から貴船神社に続く山間の道は、木の根道として有名だが、私が歩いた時は、途中、ほかのハイカーにはひとりも出会わず、貴船神社側の登山道入口には写真の注意看板が立てられていた(確か鞍馬寺側にもあったと思う)。「危険 女性の一人歩きはやめましょう」とあり、過去に一人歩きの女性に何かがあったので、警察がわざわざ立てたのだろう。



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