キクバヤマボクチよりも珍しい
ヤマボクチ
キク科
Synurus palmatopinnatifidus var. indivisus
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キク科ヤマボクチ属の多年草。愛知県以西の本州、四国、九州に分布。高さは50センチ〜1メートル。同属のキクバヤマボクチの葉は掌状に羽裂するが、本種の葉は浅い鋸歯が並ぶだけなので区別は容易だ。また葉の裏には白い綿毛が密生する。総苞はクモ毛を薄くまとい、総苞片は開出する。頭花は赤紫色〜淡黄色。
写真は、長野県栄村で偶然、見かけたヤマボクチ。ひと目見て、すぐにヤマボクチの名前が頭に浮かんだが、特徴すべてが頭に入っているわけではない。とりあえず撮影して帰宅して調べることに。しかし、その後、すっかり失念。撮影してから6年もたった最近になって、当時の写真フォルダに目を通していて記憶が蘇り、ようやく調べてヤマボクチと判明。まあ、似たような植物写真は、ほかにもいろいろありそうだけどね(笑)。
ヤマボクチといえば、こんな思い出もある。かつて出版社に勤務していた頃、本種の写真を散々探したのに、結局、あまりよくない写真を1点しか入手できなかった。監修の先生にも相談して、やむを得ず使うことになったのだが、ちょっと苦労させられた種類だったので印象に残っている。その約25年後に自分で撮影できる日が来るとは、当時は夢にも思わなかったわけだが…。
確かにキクバヤマボクチで検索すると写真掲載サイトがいくらでもヒットするのに対して、本種で検索しても断然少ない。それだけ珍しい種類ということだろう。私も見たのはこの時だけで、その後は一度も見ていない。
関連情報→本サイト植物記「キクバヤマボクチ」「オヤマボクチ」
長野県栄村の、あまり人もやって来ない渓谷で見かけたヤマボクチ。
総苞にはクモ毛があるが、オヤマボクチに比べると薄い感じだ。
葉の裏にはビロード状の綿毛が覆う。
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