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西日本の山に生える
キクバヤマボクチ

キク科
Synurus palmatopinnatifidus 
var. palmatopinnatifidus
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 キク科ヤマボクチ属の多年草。同属のなかまにはオヤマボクチやハバヤマボクチ、ヤマボクチなどが知られる。東日本のフィールドを歩く機会の方が多いと、西日本に分布する本種やヤマボクチはなかなか見ることができない。そのせいというわけでもないだろうが、この2種が写真で載っている図鑑は少ない。私が愛用している山と渓谷社の『山渓ハンディ図鑑・山に咲く花』には写真は掲載されているが、残念なことに蕾の段階のもの。また平凡社の『日本の野生植物 草本編』には写真が掲載されていない。ほかの図鑑もめくってみたが、同じだ。西日本ではそれほど珍しい種類でもないようで、ネットで検索するといくらでも花の写真が掲載されている。なぜなのだろうか。
 写真は、広島県の比婆山で見かけたキクバヤマボクチ。出雲峠へ続く緩い登山道沿いに点々と咲いていた。

関連情報→本サイト植物記「オヤマボクチ」「ヤマボクチ



比婆山登山道で見かけたキクバヤマボクチ


花は径3.5センチほど。花は普通は淡紫色で、このような淡黄色のものは稀なのだそうだ(左)。葉は掌状に羽裂するので「菊葉山火口」とついた(右)。



果期のキクバヤマボクチ/広島県安芸太田町・三段峡



  
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