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小雨降る山中で出会った見事な群生…
キエビネ
ラン科
Calanthe sieboldii
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  ラン科エビネ属の多年草。別名・オオエビネ。本州(和歌山県、島根県、広島県、山口県など)・四国・九州に分布。山野の林下に生える。エビネよりも大きく、高さは30〜60センチほどになり、葉の幅が広く、唇弁の中裂片の先が2裂しないなどの特徴がある。4〜5月に鮮黄色の花を総状に多数付け、満開になると実に華やか。自生地は盗掘などで減り、環境省レッドリストでは絶滅危惧IB類(EN)に指定されている。

 写真は、某県某山で撮影したもの。天気予報は「曇」だったが、予報に反して早朝から小雨がしとしと降り続ける。いづれ止むだろうと歩き始めたものの一向に止む気配なし。やがてお目当てのキエビネが点々と現れ始めたが、この天気。しかも現場はただでさえ薄暗い林下だ。当然、デジカメの実用感度を上げてもシャッタースピードはやっぱり低速度。ミラーアップやバルブ+手動シャッターのような工夫を余儀なくされ、やたら時間を要し、3時間くらいでさっと往復する予定が、結局、7時間も滞在するハメに。しかし、自分以外誰ひとりいない小雨降る静かな山中で、見事なキエビネ群生を十分に堪能させてもらった。

関連情報→本サイト植物記「エビネ」「サルメンエビネ



ガスに煙る林内を彩るキエビネの見事な群生。幻想的な雰囲気に夢中でシャッターを切った。






花のアップ(上)と横から見たところ(下)。基部から突き出しているのは距。ねじれた子房にも注目






  
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