園芸目的の乱獲で絶滅危惧種
エビネ
ラン科
Calanthe discolor
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里山の林に見られるランのなかまだが、かつてのエビネブームで乱獲され、さらには生育環境の悪化も手伝って、今や自生品を見る機会は稀になった。名前は、「海老根」で、地中に連なる偽鱗茎をエビに見立てた命名。
4〜5月、萼片と側花弁が赤褐色〜暗褐色〜淡緑褐色、唇弁が淡紅色〜白色をした花を咲かせる。花色には変異があり、珍しい色の花が珍重されたことが、エビネブームの要因になったようだ。
もう随分前のことだが、神奈川県の某所で、偶然、エビネを見かけた。そこは、比較的市街地にも近い林の中で、小径から少し離れた丘陵地の斜面にポツンポツンと数株が花を咲かせていた。まさか、こんな場所でエビネに出会えるとは思わなかったので、少々驚いた。その生え方といい、場所といい、自生品のようにも思えるが、真偽は不明のままだ。
関連情報→本サイト植物記「サルメンエビネ」「キエビネ」
林内に咲くエビネ。島根県某山(上・下とも)
萼片と側花弁は、どちらかというと地味な色だが、ひと株に多数の花をつけるので、華やかな印象がある。
花を横から見る。後に突き出すのは距。
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