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櫛形山に咲くグンナイフウロ。花の濃淡には変異がある

郡内地方に由来する
グンナイフウロ

フウロソウ科
Geranium eriostemon 
var. reinii
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 「この花なんて名前?」「あぁ、グンナイフウロだよ」「ぐんない? 由来は何だろう?」「さぁね」…かつてある山で聞いた登山者同士の会話である。私は答えを知っていたが、知ったかぶりして会話に割り込むことはしなかった。「グンナイ」とは山梨県の郡内地方のことで、現在の北都留郡や南都留郡一帯を指す。そこが基準標本の産地だったことに由来する。
 フウロソウ科フウロソウ属の多年草。東北地方南部〜近畿地方の山地〜亜高山の草地に生え、6〜8月に直径3センチほどの紅紫色の花を付ける。葉は掌状に5〜7深裂し、縁には鋸歯がある。茎や葉柄、葉に毛が多い。果実は刮ハ。
 北海道に分布するものは、エゾグンナイフウロ( f. yezoense )で、葉の切れ込みが本種よりも深いなどの違いがあるが、区別しない見解もある。


関連情報→本サイト植物記「イヨフウロとカイフウロ」「チシマフウロ


  
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