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まさに針(刺)だらけ
ハリブキ

ウコギ科
Oplopanax japonicus

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 確かにそういう名前を付ける以外にはないだろうな、と思わず納得してしまう姿である。北海道や中部地方以北の本州、紀伊半島、四国の亜高山帯の林内に生えるウコギ科ハリブキ属の落葉低木。「フキ」とあるが、フキのなかまではなくて木である。
 高さは約1メートル。6〜7月に地味な散形花序を付け、1ヶ月ほどすると長さ6〜7ミリほどの偏球形の液果が赤く熟す。葉は直径20〜40センチの円形で、掌状に7〜9裂し、さらに不揃いに切れ込む。雌雄異株。

 名前の通り、枝や葉柄だけでなく葉の表面にも鋭く尖った刺があり、自らを守る利点はあるにしても、どのようなきっかけから刺を身にまとうようになったのか知りたいものである。ちなみに刺がない品種もあり、これをメハリブキと呼ぶ。


淡緑色の雄花序/福島県・吾妻連峰・東吾妻山(左)。赤く熟した果実/青森県青森市・八甲田山(右)。



名前の通り、茎や葉柄は針(刺)だらけだ。頸城山塊・火打山。



 
  
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