<<前のページ | 次のページ>>
島根県出雲市・立久恵峡の固有変種
オッタチカンギク

キク科
Chrysanthemum indicum 
var. maruyamanum
…………………………………………………………………………………………………

 キク科キク属の多年草。シマカンギクの変種で、島根県出雲市・立久恵峡(たちくえきょう)周辺のみに生える。母種のシマカンギクよりも葉が小さく、シマカンギクの総苞外片が長楕円形〜卵形になるのに対して本種は線形になる。花期は11月上旬〜下旬。名前は「乙立寒菊」で、栽培すると茎が立つことと立久恵峡がある乙立地区にかけて命名された。
 立久恵峡には両岸に遊歩道が整備され、遊歩道を歩くだけで高い岩場に咲く本種を目にすることは可能だが、間近に観察することは難しい。私の場合は、「きっとここにある」と感じて足をのばした場所に、まさに勘が的中して咲いており、花や葉のアップ写真の撮影も可能となった。探し当てるのは、さほど困難ではない。



晩秋、立久恵峡の岩場に咲くオッタチカンギク。キクらしいいい香りがある。



オッタチカンギクの葉。図鑑には3中裂と書いてあり、私が見た範囲では確かに3中裂するものも見られたが、シマカンギク同様、写真のように5中裂し、各裂片の先は丸い葉が多いようだった。


花のアップ(左)と線形の総苞外片(右)。



 
  
 CONTENTS 
 
   
 

Nature
植物記