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金蘭に対して銀蘭
ギンラン

ラン科
Cephalanthera erecta

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 山野の林内に生えるラン科キンラン属の多年草。長楕円形の葉を互生し、5〜6月に茎頂に白い花を数個咲かせる。キンラン属といえば、ほかにキンラン、ササバギンラン、ユウシュンランなどがあるが、茎上部の葉が花序よりも長いササバギンランに対して本種は花序よりも短いという違いがある。
 
 2012年7月9日、長野県某所の山中で奇妙なギンランを見かけた。通常のギンランよりも草丈があり、茎頂にはたった1個の花があるだけ。その下には苞葉数個が点々と残っており、確かにギンランの花序は下から上へ咲いていくので、先に咲いた花は次々に落ち、一番先端の最後の花が残った状態とも想像したが、苞葉わきには枯れた花や若い果実どころか、その痕跡すらないように見えた。また多雪地帯なので花期がやや遅いのは不思議ではないものの、通常のギンランよりもはるかに細長い葉も気になる。ササバギンランと比較しても、私がこれまで見たササバギンランとも違って見える。単に花期が過ぎたあとの草姿といえるのかどうか…? 『長野県植物誌』を開いても該当しそうな亜種・変種の類は掲載されていなかった。

関連情報→本サイト植物記「キンラン」「ユウシュンラン



群馬県みなかみ町・大峰山に咲くギンラン(上)。右2点は、長野県某所で見かけた奇妙なギンラン。ササバギンランにしては、花はギンラン同様、横向きになっている。










 
  
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