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雨量観測所 青森県鰺ヶ沢町・白神山地など

撮影年月日:2008年6月8日など

 山岳記「地震観測施設」でも書いたが、市街地と山の境目にある登山口みたいな場所には、割といろいろな施設が置かれている。そのひとつが、地震観測所だが、実は最も多かったのは雨量観測所(雨量観測局)である。

 雨量観測所といえば、真っ先に頭に浮かぶのは天気予報でもお馴染みのアメダスだろう。アメダス(AMeDAS)とは、気象庁が運用する全国約1300ヶ所に置かれた無人観測網である「地域気象観測システム(Automated Meteorological Data Acquisition System)」の略称である。
 Wikipediaによると、略称を考えた際、単にAMDASではなく、AMeDAS(雨出す)の方がおもしろいとの提案が採用され、略称を「AMeDAS」、その読みを「アメダス」とすることとなった…とある。アメダスの「アメ」は「雨」から来ているわけではないが、多少は意識されたようだ。

 そんな最も有名で高密度の観測網にも関わらず、登山口やその近辺でアメダスを見かけたことは、記憶の範囲でたった一度しかない。むしろアメダスとは無関係の、ダムの雨量観測施設の方が圧倒的に多かった。ダムの貯水量は、降水量と密接に関係するので、ダムの上流域でどれくらいの雨が降っているか、早めに知る必要があると思われる。そのためダムごとに雨量観測所が設置されているのだろう。ダムの雨量観測所は、意外なことに結構、多いのだ。
 ダムには、都道府県が管理するダムと国(国土交通省)が直轄するダムがあるが、雨量観測所のプレートを見れば、ある程度のことがわかる。またネットで雨量観測所の名称を検索すると、リアルタイムでその観測所の雨量データを見ることが可能な場合もある。



青森県鰺ヶ沢町・白神山地にある追良瀬赤石中継雨量観測局。青森県の鰺ヶ沢土木事務所が設置した施設。



北海道函館市・袴腰岳のアメダス登山口にある新中野ダム袴腰雨量観測局。登山口は、この施設があることから通称「アメダス登山口」と呼ばれているが、実は気象庁が運用するアメダスじゃなくて、ダムのために函館土木現業所が設置した施設だ。


北海道札幌市・無意根山 薄別登山口にある薄別雨量観測所(左)。北海道南富良野町・夕張岳 金山登山口にある奧十梨別雨量観測所(右)。


秋田県・法体の滝入口にある法体の滝観測局(左)。山形県米沢市にある綱木川ダム・綱木雨量観測局(右)。


栃木県日光市にある西荒川ダム・高原雨量観測所(左)。栃木県那須塩原市にある塩原ダム・新湯雨量観測所(右)。


群馬県中之条町の野反湖畔にある国土交通省 野反雨量観測所(左)。山梨県大月市・笹子峠にある笹子観測局(右)。



唯一見たアメダス。長野県王滝村・御嶽山 田の原にある気象庁の御岳山(ママ)アメダス雨量観測所。


長野県飯田市・しらびそ高原に立つ国土交通省・北又雨量観測所(左)。富山県富山市。北アルプス・折立登山口にある国土交通省・折立雨量観測所(右)。



静岡県静岡市・大谷崩れの登山口にある国土交通省・大谷崩雨量観測所。



滋賀県東近江市。国土交通省・永源寺ダムの君ヶ畑雨量局。



長崎県大村市の経ヶ岳登山口にある国土交通省・郡川砂防公園雨量局


◆似てるけど、ちょっと違う施設

福島県檜枝岐村・尾瀬ヶ原にある電源開発株式会社の尾瀬ヶ原気象観測所。



三重県大台町・台高山脈 大杉谷にある大日ー水位観測所。



岩手県釜石市・笛吹峠にある岩手県の積雪センサー






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