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信仰の山2 京都府南丹市・京都大学芦生研究林など

撮影年月日:2011年7月8日など

 本サイト山岳記「信仰の山1」では、特に有名な霊山を取り上げたが、我が国では、身近な山々も信仰の場となってきたのは、改めていうまでもないだろう。全国津々浦々。その多くの山々には、山頂か中腹か、あるいは山麓かという細かい違いがあるにせよ、神社や祠があり、それぞれ信仰する人々の存在を感じさせる。これこそ「日本の山らしさ」といえるのではないか。

 数年前、京都府南丹市美山町にある京都大学芦生研究林を歩いたことがある。今でこそ京都大学農学部が管理する「研究林」だが、林内には昭和35年まで灰野集落があった。
 研究林入口から森林軌道跡をたどり、やがて灰野集落があった場所に到着。しかし、付近には集落跡を示す解説板こそあるが、苔むした石垣が残るばかり。おそらく当時は、もっと周囲が開けていたと思われるが、木々が生長して、うっそうとした雰囲気。ただ、その一角には、鳥居と神社が今もぽつんとあった。かつては灰野集落の人々が、折々に参拝していたのだろう。
 こんな小さな神社にも、信仰の歴史があり、人々の願いがあり、それを受け止める神様がおられるわけだ。それは、登山道沿いにひっそりと置かれた名もなき石の祠も同様。日本の山々は、その多くが信仰の歴史とともにある。

関連情報→本サイト山岳記「山の神」「信仰の山1



京都大学・芦生研究林内、灰野集落跡にある神社の鳥居。定住者はいなくなったものの、おそらく今も研究林の職員やハイカーが時折、参拝しているものと想像する。



長崎県・対馬の白嶽登山道に立つ白嶽神社の鳥居。白嶽は、島の人々が信仰する山。山頂付近にも祠が置かれている。



埼玉県秩父市・琴平丘陵の林内にひっそりと鎮座する、お地蔵様。



岩手県葛巻町・馬淵川源流入口に立つ鳥居。



群馬県藤岡市・赤久縄山登山口で見かけた石の祠。



栃木県・庚申山の林道に供えられていた御弊。



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