Nature
山岳記
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削られる山 埼玉県・武甲山

撮影年月日:2003年4月17日など

 武甲山は、秩父地方を代表する山として知られ、秩父市街地から望む、その姿は大きくて迫力がある。近くの三峰山と同様、古くは信仰の山でもあったが、石灰岩でできた山であるために、その採掘が進み、遠くから眺めても山体が大きく削られていることが容易にわかるほど。特に山頂に立つと、すぐ下に採掘のためにできた広い平坦地が見えて、興ざめする。
 そんな痛々しい山だが、この山には、チチブイワザクラ(サクラソウ科)などの固有種があり、登山道沿いで見ることはできないが、石灰岩採掘現場周辺には、その自生地があるようだ。希少植物が自生する山だけに、なんとか自然保護とのバランスをとって採掘してもらいたいものである。

関連情報→本サイト植物記「キバナコウリンカ



日向山から望む武甲山。山頂手前側が大きく削られ、平らになっているのがわかる



武甲山山頂から見下ろす石灰岩採掘現場と、その奥に広がる秩父市や横瀬町の市街地



武甲山の表参道登山口に向かう車道沿いには、石灰岩を粉砕加工する工場が林立し、工場も道路も石灰岩の粉塵で白くなり、ダンプが行き交う独特の光景が続く。(この写真は、車載ハイビジョンビデオカメラで撮影した動画から切り取ったもので、運転中にカメラを構えて撮影したものではありません)



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