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「ミヤマ」というほど深山に生えない
ミヤマキケマン
ケシ科
Corydalis pallida 
var. tenuis
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  ケシ科キケマン属の越年草。本州近畿地方以北に分布。漢字では、「深山黄華鬘」だが、「ミヤマ」という割には深山で見かけることはほとんどなく、山地帯以下の山野に広く見られ、群生することも多い。母種は、本州中部地方以西、四国、九州に分布するフウロケマン( C. pallida )である。ちなみに「フウロキケマン」ではないので注意。
 母種よりも大きく、高さは30~50センチ。茎は赤みがかり、下部で枝を分けて斜めに立ち上がる。葉は1~2回羽状複葉で、小葉は羽状に深裂する。
 4~6月に長さ5~10センチの総状花序に黄色い花を多数付ける。果実は、長さ2~3センチの数珠状の蒴果。

 東日本の山里では、よく見かける植物で珍しくない。写真は長野県松本市・上高地の明神池入口で見かけた本種の見事な群生。

関連情報→本サイト動物記「ナガミノツルキケマン



上高地・明神池入口(写真奥に左手にのびる道を進むと明神池)に群生するミヤマキケマン。撮影したのは1999年5月下旬だが、その後、同時期に再訪したところ、確か群落が衰退していたように記憶している。



岐阜県飛騨市の林道沿いに群生していたミヤマキケマン。


総状花序。距はわずかにカーブする程度。母種ほど屈曲しない。(左)。花冠正面(右)。どちらも埼玉県両神村(現・小鹿野町)で撮影。



  
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