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トリカブトなのに実は無毒
サンヨウブシ

キンポウゲ科
Aconitum sanyoense
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 キンポウゲ科トリカブト属の多年草。漢字では「山陽附子」。岡山県で見い出されたことに因むが、本州の関東地方以西と四国地方に広く分布している。山地の林内や林縁、湿地などに生える。
 高さは、50センチ〜1.5メートルだが、時に2メートルに達することもある大型のトリカブト。葉も大きく、5〜7中裂する。7〜11月に散房花序を出し、上萼片のくちぱしは長く、花柄と雄しべは無毛。

 ところでトリカブトといえば、代表的な有毒植物として有名。特に我が国には、世界一ともいわれる強毒性のエゾトリカブトがある一方で、本種はなぜか無毒である。本種が進化の過程で、毒を作らなくなった理由を知りたいものである。

関連情報→本サイト植物記「トリカブトのなかま



長野県松本市・上高地で見かけたサンヨウブシ。この個体は、花のように見える萼片が白っぽくなっているが、これはサンヨウブシの特徴ではない。中裂する葉に注目。



  
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