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細かく裂けた紅色の花が湿原に色を添える
オグラセンノウ
ナデシコ科
Lychnis kiusiana
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 ナデシコ科センノウ属の多年草。本州岡山県以西と九州の湿原に生える。茎には下向きの屈毛があり、高さ60センチ〜1メートルになる。7〜8月、茎の先の集散花序に少しくすんだ紅色の花を数個付ける。花は直径約2.5センチ。花弁は5個あり、先は細かく裂ける。また花弁基部には付属体があり、雄しべは10個。葯の花粉は紫色。萼は長さ約2センチ。葉には柄がなく、十字対生する。果実は刮ハ。

 岡山県新見市の鯉ヶ窪湿原は、本種の自生地として有名。十年以上前のことだが、遊歩道から離れた湿原の真ん中にたった1輪しか花を付けておらず撮影を断念したことがあった。その後、開花時期に訪れる機会はなかったが、近年、管理棟の奥に人工湿地を整備したところ、自然に本種などの湿生植物が定着したそうだ。そのため今ではすぐ目の前で撮影できるようになった。また本来の自生地である湿原でも、今年(2014年)はかなりの株が花を付けていた。


関連情報→本サイト植物記「フシグロセンノウのなかま



鯉ヶ窪湿原入口の人工湿地(ミニ湿原)に咲くオグラセンノウ。付近には十株程度が花を咲かせていた。


花弁の先は細かく裂け、基部には爪のような付属体が並ぶ。紫色の葯との取り合わせが美しい。右下の花の雄しべは花粉を出し終わって、倒れている。この写真の花はベストだが、時期が過ぎて劣化してくると、花弁表面の紅色の膜が剥がれて、その下の白い部分が露出する。


花をさらにアップ。この写真では、外に出た雄しべは5個しか見えないが、中にも短い雄しべが5個が隠れている。詳しいことは不明だが、「雄しべの成熟→花粉放出」を5個ずつ2段階で行っているのだろうか。


萼は毛があり先がとがる。長さは2センチほど(左)。葉は、中脈が少し窪み、両面と縁に毛が生えている。写真のように十字対生する(右)。


  
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