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北海道・夕張岳の固有品種
コミヤマキンポウゲ
キンポウゲ科
Ranunculus acris var. nipponicus f. yuparensis
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 ミヤマキンポウゲといえば、高山植物の定番といったところだが、その名前の前に「コ」という一文字が入るだけで、夕張岳の固有品種を意味するようになる。コミヤマキンポウゲは、ミヤマキンポウゲの蛇紋岩矮小型品種で、夕張岳のみに生える。品種名「yuparensis」は、もちろん夕張岳に由来する。ミヤマキンポウゲと比べると小型で、花が1〜2個しか付かず、茎や葉柄は無毛などの特徴がある。

 夕張岳といえば、ユウバリソウなどの固有種で知られ、多くの花探訪者は、これらの花目当てで訪れる。しかし、おそらく本種はスルーされ、彼らの目にとまることもないだろう。7月上旬〜中旬、夕張岳の登山道を普通に歩くだけで、最低でも数株程度は見つけられるはずなので、今後登山予定がある人は注意して探してみてはいかがだろうか。ちなみに「ユウバリ」の名前を冠した植物は上記のほかにも何種類かあるが、ユウパリコザクラのように半濁音で表記する場合(濁音表記でも正しい)もあって、これは一見、入力ミスのように見えてしまうが、間違いではない。おそらく「夕張」の地名由来のアイヌ語では、「ユウバリ」ではなく「ユウパリ」と発音することによるのではないかと思う(未確認)。

関連情報→本サイト植物記「ミヤマキンポウゲ



夕張岳登山道沿いにひっそりと咲くコミヤマキンポウゲ。葉は深裂する。



  
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