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根茎を食べると甘い
アマドコロ
ユリ科
Polygonatum odoratum
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 山野に生えるユリ科アマドコロ属の多年草。高さ30〜80センチになる茎には、稜があり、稜がなくて平滑なナルコユリとの区別点である。葉は長楕円形で裏面は白く、4〜5月に葉のわきから花が垂れ下がる。花は白く先端は緑色。筒状で長さ1.5〜2センチ。果実は球形で黒熟する。名前は、根茎の形がヤマノイモ科のトコロに似て、食べると甘いことに由来。根茎は、すりつぶすと強い粘り気があり、茎とともに山菜として利用される。

 ナルコユリのほかにも同属の似たなかまがあり、高さ1mにもなる大型のものは、オオアマドコロ( P. odoratum  var. maximowiczii )、やはり大型で葉裏面の脈に沿って突起があるものをヤマアマドコロ(  P. odoratum var. thunbergii )と呼ぶ。ほかヒメイズイやミヤマナルコユリ、ワニグチソウも同属である。

 山野では割と普通に見かけるので、積極的に撮影する気にもならない。写真は、16年前に山梨県の三ツ峠山で撮影したアマドコロ。三ツ峠のどこだったか、まるで記憶にないが、草原の中にベスト状態の株が点々とあったことだけは、わずかに覚えている。

関連情報→本サイト植物記「ヒメイズイ



三ツ峠山の草原で白い花を垂れ咲かせるアマドコロ。



花柄は、途中で分枝して2〜3個の花を吊り下げる。この写真では茎の稜がわかりにくいが、少し引いた別カットで稜があるのを確認している。同じく三ツ峠山にて。



  
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