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北アメリカ原産の奇妙な寄生植物
アメリカネナシカズラ
ヒルガオ科
Cuscuta pentagona
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  北アメリカ原産のヒルガオ科ネナシカズラ属の一年生寄生植物で、ほかの植物に左巻きに絡みついて寄生し、養分を得ている。河原や海岸、畑などに生育し、日本以外にもヨーロッパやオーストラリアなどにも帰化しているらしい。葉緑素を欠き、葉は退化し、つるは細く淡黄赤色をしており、生長して広がった姿は、まるで黄色いヒモが大量に捨てられているように見えるほどだ。現在は日本の全都道府県に広がり、外来生物法の要注意外来生物に指定されている。
 7〜10月には直径3ミリほどの小さな白い花をつける。雄しべ5個が花冠から突き出し、花柱は2個。果実は球形の刮ハ。

 Wikipediaには市販本からの引用で「1970年頃に東京都府中市の多摩川付近で初めて確認された」とあるが、『日本帰化植物写真図鑑』(全国農村教育協会)には「昭和40年代後半には東京を中心に見いだされ…」とあり、また『神奈川県植物誌2001』(神奈川県立生命の星・地球博物館)には「県内では1968年に藤沢市辻堂海岸で採集されたのが最初の記録」との記載が見受けられる。実際により古い記録が存在するから考えると、1960年代後半には日本に入っていたとする方が正しいようだ。

関連情報→本サイト植物記「寄生植物



房総半島の南無谷海岸で見かけたアメリカネナシカズラ。ハマヒルガオの上に覆うように繁茂していた。「大量に捨てられた黄色いヒモ」みたいに見える。



ほかの植物に巻き付くアメリカネナシカズラ。



アメリカネナシカズラの花。新潟県村上市。



  
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