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ゴゼンタチバナとはちょっと様子が違う
エゾゴゼンタチバナ
ミズキ科
Chamaepericlymenum suecicum
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  北海道東部と北部の湿原や林床などに生えるミズキ科ゴゼンタチバナ属の多年草。世界的に見れば、北欧やロシアなどの周北極地方に広く分布する。
 中部地方の山でよく見かけるゴゼンタチバナと似ており、場所によって混生することもあるようだが、本種の生育地は北海道だけで、しかも草姿は結構異なっており、区別は容易。迷うことはほとんどないだろう。
 花弁のように見える白い部分は総苞で、その中心には多数の小さな花が頭状に集まっているが、本種はここが黒っぽい。またゴゼンタチバナの葉は輪生(もしくは輪生状)だが、本種は明瞭に対生する点もわかりやすい特徴だ。

 かつて北海道を巡った時、時期が少し遅かったということもあって、本種を一度も見かけなかった。ようやく今年(2013年)、北海道の取材旅行をした際に遭遇を果たす。しかもそれは単なる偶然で、予想もしていなかった場所で出会うことができた。その後、道北の湿原でも見かけたのだが、帰りに撮影しようと思って通り過ぎ、そのまま失念。下山途中に「あっ、しまった! エゾゴゼンタチバナ撮るのを忘れた」と気づいたが後の祭り。下の写真は最初に遭遇した根室市の湿原で撮影したもの。

関連情報→本サイト植物記「ゴゼンタチバナ



7月上旬、根室市の湿原で見かけたエゾゴゼンタチバナ。葉は4〜5対が対生する。



  
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