<<前のページ | 次のページ>>

8月初旬、谷川岳・西黒尾根で見かけたハクバブシ。谷川連峰にはホソバトリカブトもあるので注意が必要である。右側の稲妻型に曲がる茎に注目。

白馬岳に由来するが…
ハクバブシ

キンポウゲ科
Aconitum zigzag 
subsp. kishidae
……………………………………………………

 キンポウゲ科トリカブト属の多年草。タカネトリカブトの亜種で、白馬岳や谷川連峰、上越国境の山々、岩菅山、苗場山などの山地帯〜亜高山帯の草原に生える。日本固有種。名前は基準標本が採集された白馬岳に因むが、近年は見つかっていないそうだ。
 花柄は無毛、上萼片(かぶと)は僧帽状。雄しべと心皮には、毛が密生または散生する。葉は3中裂〜3深裂する。
 母種のタカネトリカブトは、茎が稲妻型に曲がることから「zigzag」というわかりやすい種小名が付けられているが、谷川岳で観察すると本種も同様だった。いくつかの図鑑や植物誌の本種の項目に目を通しても、こうした記述は見受けられないが、図鑑やネット掲載の写真を確認すると、見た範囲ではすべて稲妻型になっていた。
 ミヤマトリカブト、ヤチトリカブト、ミョウコウトリカブトとの雑種もくしは雑種起源と考えられる個体も採集されているという。

関連情報→本サイト植物記「トリカブトのなかま


  
 CONTENTS 
 
   
 

Nature
植物記