枝葉は臭いが、花はジャスミンのようないい香り
クサギ
クマツヅラ科
Clerodendrum trichotomum
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クマツヅラ科クサギ属の落葉小高木で、北海道から沖縄まで全国の山林に生える。名前は「臭木」で、枝や葉を傷つけると強い悪臭があることによる。その一方、8〜9月に咲く花には、ジャスミンにも似た上品な芳香があり、しばらく立ち止まって楽しみたいほどだ。それなのに「臭い木」とは、いささか気の毒な名前である。
葉は三角状広卵形で対生する。花冠は5裂し、雄しべ4個と雌しべが花冠から突き出す。10〜11月には直径約6ミリの光沢がある藍色の核果となり、星形に広がる紅紫色の萼との対比が見事である。
若葉は山菜としてよく利用され、摘み取るときだけ我慢すれば、塩ゆでして水にさらすといやな臭いは消える。また果実は草木染めに、根は薬用になる。
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森の中で甘い香りを漂わせていたクサギの花枝/山形県真室川町
花冠は白色で5裂し平開し、雄しべと雌しべが突き出す/秋田県大仙市・真木渓谷(左)。藍色の果実と鮮紅紫色の萼との組み合わせは、まさに「前衛的な色使い」とでも表現するしかない意外性がある。「う〜ん、その色の組み合わせで来たか〜。参りました!」みたいな…/新潟県津南町(右)。
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