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のびる根という意味
ノビネチドリ

ラン科
Gymnadenia camtschatica
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 北海道〜九州の山林に生えるラン科テガタチドリ属の多年草。なかまのテダカチドリの根茎は掌状となるが、本種はそうならずにのびるので「延根千鳥」と命名された。高さ30〜50センチ。長楕円形の葉は縁が波状に縮れる。茎頂に紅紫色〜淡紅紫色の花を多数密生させる。時々、目にするランだが、ハクサンチドリやテガタチドリよりは少ない印象である。
 
 今年2012年初夏、志賀高原の某コースを初めて歩いたところ、ゴール間際の水路沿いで本種が2株出迎えてくれた。花付きはあまりよくなかったが、一方がやや濃い紅紫色なのに対して、少し離れて咲くもう一方は白に近かった。そのコースは、ほとんど知られておらず、志賀高原らしからぬ林相や森の中で群生するニリンソウが新鮮だったが、最後にノビネチドリというオマケも付いてきた。



北海道長万部町で見かけた立派な花序をつけたノビネチドリ。


左は長野県木島平村・カヤの平高原のノビネチドリ。後日、再び訪れると、果実になっていた。その時の写真は、いろいろな果実に掲載。どちらも同じ株である。右は同じく長野県の志賀高原に咲くノビネチドリ。こうして3点の写真を見比べると花序に付く花の数も個体差がかなりあることがわかる。一見すると同一種に見えないくらいだ。



  
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