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2002年に新種として発表された
ナベクラザゼンソウ

サトイモ科
Symplocarpus nabekuraensis

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 ナベクラザゼンソウは、2002年に新種として発表されたサトイモ科ザゼンソウ属の多年草。長野県と新潟県にまたがる関田山脈の鍋倉山で見つかったので、この名前があるが、関田山脈や鍋倉山の固有種というわけではなく、本州日本海側の山地に広く分布する。
 写真を見ればザゼンソウとは全く異なる草姿をしていることが一目瞭然だろう。花が小さいところはヒメザゼンソウに似ているが、ヒメザゼンソウの葉は長楕円形なのに対して本種の葉は腎円形であり、また本種は葉の展開と開花がほぼ同時で、仏炎苞全体が地上に露出するといった違いもある。
 花は直径約5センチ。開花時期は5〜7月。長野県では生育地も限られることから『長野県版レッドデータブック植物編』では、絶滅危惧T類に分類されている。
 以下の写真は四度目の正直で、ようやく出会えたナベクラザゼンソウである。付近には結構多く見られたが、花がない株も多かった。また、一部、動物に根元から葉を食べられたものも見受けられた。

関連情報→本サイト植物記「ザゼンソウ



葉の根元に小さな仏炎苞をつけたナベクラザゼンソウ


腎円形の葉(左)と仏炎苞のアップ(右)



ナベクラザゼンソウの果実。関田山脈。



  
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