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花の色は多種多様だが
植物雑話10
何色の花が一番多いのか?


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 世界中の花を調べて統計をとると、1位白色系統、2位黄色系統、3位赤色系統、4位青色系統(紫色含む)という結果になったそうだ。色素を作らなければ白になるわけで、進化の過程で白を選択する植物が多かったのも、そういう単純な理由なのだろうか。
 この間、テレビを見ていたらニュージーランドの花は訪花昆虫が蛾であることが多いために白系統の花が多いということを言っていた。夕方や夜に花を訪れる蛾にとってみれば明るい色の方が目につきやすいからなのだ。確かに日本の植物でも、訪花昆虫が蛾になっている花は、白や黄色の明るい色が多いように思う(例外があるかないかは知らない)。日本の花はそれこそ多種多様な花の色がある。これは同時に多様な植物相であることの証明でもある。同緯度のヨーロッパなどに比べれば、日本に自生する植物の種類ははるかに多い。もちろん熱帯地域には負けるが、それでも狭いながらも複雑に分化した植物相をもつ魅力的な国なのだ。それなのにわが国の国民はその価値を理解せず、乏しい生態系知識をもとにはき違えた自然観で、自然ともいえない自然を「自然」といって満足し楽しんでいるんだから、まったくもって救いがたい。



  
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