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浦島太郎に見立てた名前
ウラシマソウ

サトイモ科
Arisaema
 urashima
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 テンナンショウのなかまの中でも仏炎苞の付属体が長く伸び出ている種類は、否が応でも目を惹くが、その代表格が本種である。浦島太郎が釣り糸を垂らす姿に見立てた名前だが、浦島太郎の特徴を表すものは何もないので、もしかすると命名者次第で「釣り人草」とか「太公望草」になったかもしれない。

 北海道南部から九州まで広く分布するサトイモ科テンナンショウ属の多年草。山野の木陰に生え、3〜5月に紫褐色の仏炎苞に包まれた肉穂花序を出す。花序の先には長さ60センチもの付属体があり、仏炎苞の外にのび出る。葉は11〜17個の小葉がある鳥足状複葉。球茎の栄養状態によって雌雄が決まる雌雄異株である。
 中国、四国、九州地方には、ナンゴクウラシマソウ(A. thunbergii subsp. thunbergii )が分布する。

関連情報→本サイト「マイヅルテンナンショウ
      →本サイト「ミミガタテンナンショウ



仏炎苞から紐のようにのび出る付属体がおもしろいウラシマソウ/神奈川県秦野市



ナンゴクウラシマソウ。撮影したのは5月下旬だったが、花はやや終わりかけだった。宮島では弥山登山道などでも見られた/広島県廿日市市・宮島


  
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植物記