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名前は「みちのく」だが、分布域は広い
ミチノクフクジュソウ

キンポウゲ科

Adonis multiflora

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 現在、市販されているほとんどの植物図鑑では、キンポウゲ科フクジュソウ属としてフクジュソウ( A. ramosa )しか載っていないが、分類学的な調査研究が進んで日本のフクジュソウ属は、キタミフクジュソウ、ミチノクフクジュソウ、フクジュソウ、シコクフクジュソウの4種類に分けられるようになっている。そのうちミチノクフクジュソウは、「みちのく(陸奥)」という東北地方北部に因む名前になっているが、本州と九州に広く分布するので、本州においては、フクジュソウと思ったら実はミチノクフクジュソウだったということも十分あり得る。両種を区別するには、花弁と萼の長さの違いを見るといい(下左の写真とキャプション参照)。ほかに生育場所や花期にも違いがあるそうだ。
 昨日(2011年4月)、広島県庄原市にあるミチノクフクジュソウ自生地を訪ねた。里山の山裾斜面に鮮黄色の花が群れ咲き、期待以上に見事だった。

関連情報→本サイト植物記「フクジュソウ」・にっぽん全国 花めぐり「為重の福寿草自生地



広島県庄原市の自生地で満開になったミチノクフクジュソウ



ミチノクフクジュソウは、花弁よりも萼が明らかに短い。フクジュソウでは、同じ長さか、もしくは萼がやや短い程度。


まるでパラボラアンテナのように花弁を開いて、太陽の光を受けるミチノクフクジュソウ




  
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