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木の根に寄生する植物
ヤマウツボ

ゴマノハグサ科

Lathraea japonica

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 前項に続き、先月末に東京都檜原村の山中で見た植物をもう一種紹介。山頂に立ち、マイナーコースで下っている途中、木の根元にニョキニョキと白いものが林立しているのに気づいた。本項でも一度取り上げているヤマウツボだ。植物記・寄生植物のページに掲載した写真は、栃木県那須塩原市の塩原渓谷で何年か前に撮影したものだが、渓谷遊歩道沿いに気持ち悪いほどに群生していた。それに比べれば、今回は少ないが、それでもどことなく異様な雰囲気を漂わせている。
 関東地方以西の本州〜九州に分布するゴマノハグサ科ヤマウツボ属の多年草で、湿っぽい落葉樹林に生える。木の根から養分を吸収して生育する寄生植物で、葉緑体をもたない。高さは10〜30センチ。花期は5〜7月。



群生するヤマウツボ。どう見ても「ニョキ、ニョキ」と表現するしかないでしょ/東京都檜原村。



筒状の花冠を総状につける。名前は、花序の様子を矢を入れる靫に見立てたものだ/東京都檜原村。


  
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植物記