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実は中国原産の木
キリ

ゴマノハグサ科

Paulownia tomentosa

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 5〜6月頃、里山などで、淡紫色の花をたくさんつけたキリをよく見かける。結構、山奥でも生えているから、日本原産で自生していると思っている人も多いと思うが、実は中国が原産で、古い時代に日本に渡来し、材として利用するために植栽されてきた木なのだ。今では、野生化するほど、各地で普通に見られる。
 軽くて狂いが少ないので、特に箪笥の材料として優れているのは、みなさんご存じの通り。昔は、女の子が生まれたら、お嫁入りの時に箪笥にするためにキリの木を植えた話もよく知られていると思う。
 高さは10メートルを超える落葉高木で、葉が開く前に枝先に円錐花序をつける。花冠は筒状で先は5裂する。葉は長さ幅ともに20〜30センチもあり、浅く3〜5裂し、先はとがり、基部は心形となる。


キリの花。栃木県鹿沼市にて(左)。果実は長さ3〜4センチの刮ハ(右)


  
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植物記