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別種の木が仲良く抱き合うように?
一緒に生える木

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 本項植物記「ユニークな木の形」と題したページで、同種どうしの木が枝や幹を接すると合体することを書いたが、別種の木でもぴったりと一緒に生えていることがある。さすがに合体することはないようだが、これも随分ユニークに見える。実際には仲がいいわけではなくて、偶然、同じ場所で芽生えてしまい、やむを得ず抱き合うように生えているだけなのだ。本当はお互いに「邪魔な奴だな」と思っているに違いない。生存競争のただ中にあって、いつかはどちらかに軍配が上がる日が来るのだろう。自然界の競争は熾烈なのだ。
 かつて志賀高原には、根元から高さ数メートルの位置までぴったり接して立つダケカンバとオオシラビソ(だったかな?)があり、前には解説板が置かれていた。しかし、その後、解説板もなくなり、この2本の木がどこかにあるのかわからなくなった。生存競争が決着し、どちらかが枯死したので解説板を撤去したのか、それとも、よく探せば、2本とも健在なのかは定かではないが―。


どちらも上高地で見かけたもので、ダケカンバとコメツガ、クロベなどの木が互いに身を寄せ合って生えている。



尾瀬の沼山峠から大江湿原に向けて下ると、湿原に出る手前にこの木がある。ダケカンバの幹の真ん中からナナカマドが突き出すように生えている。着生してるのか、突き抜けて生えているのか不明だが、ナナカマドの幹の太さなどから見ても着生の可能性は低いだろう。それにしてもどういう原因でこうなってしまったのだろうか。

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カラマツの幹から生えたブナ。撮影は1999年なので、このカラマツとブナが、今はどうなっているのか知りたいところだ。双方がこのまま大木になる可能性は低く、おそらくブナの方が枯死しているのではないかと想像する。栃木県日光市・小田代ヶ原。



  
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植物記