中部地方以西に分布するユリ
ササユリ
ユリ科
Lilium japonicum
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本州中部地方以西に生えるユリで、葉がササに似ていることから「笹百合」。日本の野生ユリといえば、ほかにヤマユリも知られるが、こちらは本州近畿地方以北に分布するので、極めて大雑派にいえば「東のヤマユリ、西のササユリ」といえるかもしれない。ヤマユリの花は、実に大振りで派手。しかも芳香もすごい。それに比べれば本種は、少しおとなしい。だが、それでもさすがにユリ王国・日本の野生種だけあって、山の中でササユリが咲いていると、そこだけなぜか明るい雰囲気を作り出すから不思議だ。
かつて乗鞍岳の岐阜県側山麓の某所に点々と咲くササユリを見かけたことがあるが、いづれも見事だった。ちなみに今年(2009年)は、岐阜・富山両県にまたがる白木峰で出会う。この山ではニッコウキスゲが主役を演じていたが、登山道にポツポツと咲くササユリの存在感もなかなかのものだった。
関連情報→本サイト植物記「ヤマユリ」
オオバギボウシととともに白木峰登山道を彩るササユリ
同じく白木峰で撮影した別のササユリ。個体によって少し紅紫色を帯びるもの(左)もあれば、純白に近いもの(右)もあるのがわかる
ひとつの花茎から3個の花を出した株。色も濃くて見事だった。岐阜県飛騨市・天生湿原。
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