Nature

一種一種、植物を取り上げて、その植物にまつわる話題を写真とともに紹介します。

  
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植物記
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文字通り、花が「大文字形」をしている
ダイモンジソウ

ユキノシタ科
Saxifraga fortunei 
var. incisolobata f. incisolobata
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 ユキノシタ科ユキノシタ属の多年草で、栽培されることも多いユキノシタに近いなかまといえば、わかりやすいかもしれない。花は文字通り「大文字形」になっており、ユキノシタでは上部3個の花弁には紅色の斑点が出るが、本種はすべて白色(紅色のものもあるらしい)で、ユキノシタよりも細い。花期は7〜10月。北海道から九州の山地に生えるが、分布域が広いために変異の幅も広いようだ。また湿った場所を好むので、水が滴る岩上とか、滝や渓流のそばで見かけることが多い。下の写真は、青森県の白神山地・くろくまの滝で撮影したものだが、滝の水しぶきを浴びる斜面にびっしりと、まるで絨毯のように覆っていた。あと長野県と新潟県にまたがる関田山脈を越える車道沿いの岩壁にも、たくさん咲いていたのを見たこともある。
 ところで、ごく近いなかまにミヤマダイモンジソウ(var. incisolobata f. alpina)があり、本種よりも全体に小さく、北海道や中部地方以北の高山帯に分布する。ほかに西日本には、葉の形が異なるウチワダイモンジソウ(var. obtusocuneata)、花が「人」という漢字に見えるので命名されたジンジソウ(S. cortusaefolia)、実際には仙台には見られないのに、なぜか仙台草と名付けられたセンダイソウ(S. sendaica)も知られる。

関連情報→本サイト植物記「ユキノシタ



くろくまの滝で見かけたダイモンジソウの群生。斜面全体が白っぽく見えたので「何だろう?」と近寄ってみると、ダイモンジソウだった



同じく白神山地の秋田県側にある岳岱付近で撮影したダイモンジソウ。



ダイモンジソウ花序アップ。


 
 
西日本に分布するジンジソウ/島根県出雲市・立久恵峡(左)。ミヤマダイモンジソウ/北アルプス・針ノ木雪渓(中)。ミヤマダイモンジソウの花アップ。左側の2個は、花弁が6個ある奇形/秋田県・乳頭山(右)。