Nature

一種一種、植物を取り上げて、その植物にまつわる話題を写真とともに紹介します。

なお営利目的はもちろん、個人的な利用も含めて、本ページ写真の無断使用はご遠慮下さい。

植物記
<<前のページ 次のページ>>
晩秋の海辺を鮮やかな黄色に染める
イソギク

キク科
Chrysanthemum
 pacificum
…………………………………………………………………………………………………

 11月、12月ともなれば、山間の地では花らしい花は見かけないが、海辺ではその頃に開花のピークを迎える花もある。そのひとつが、関東地方の海岸に生えるイソギクだ。開花するのは10〜12月。この時期に海岸に行くと真っ黄色のこの花が咲き誇っている。房総半島や三浦半島、伊豆半島の海岸では、ごく普通に目にできる。
 キク科キク属の多年草。頭花にはタンポポのような舌状花はなく、筒状花のみが密に集まり、径約5ミリほど。葉は厚く、縁は白い。四国にはよく似たシオギク(C. shiwogiku)が分布するほか、紀伊半島にはシオギクの変種のキイシオギク(var. kinokuniense)がある。これらはキク属のなかでも舌状花をもたない種類で、山に生えるイワインチンも同じだ。

 かつて神奈川県・荒崎海岸に出かけたときのこと。イソギクの最盛期で、海岸にはあちこちに黄色い模様ができていた。そんな中、ふと変わったイソギクが数株点々とあることに気づいた。どうやらハナイソギク(C.×marginatum)のようだった。ハナイソギクはイソギクと栽培品種のイエギクの雑種で、小さな舌状花をもつのが特徴だ。イソギクの自生地では、まれに目にする。

関連情報→本サイト植物記「イワインチンとオオイワインチン



鮮やかな黄色い花が美しく昔から栽培もされ、園芸植物として流通もしている。静岡県・伊豆半島にて


神奈川県・荒崎海岸に群生するイソギク。晩秋のひと気のない静かな海岸を鮮やかに染めていた


イソギクと並んで花を咲かせるハナイソギク。


  
 CONTENTS