<<前のページ 次のページ>>
花被片に隙間があるのが名の由来
スカシユリ

ユリ科
Lilium maculatum
…………………………………………………………………………………………………

 静岡・新潟以北の本州海岸に生えるユリ科ユリ属の多年草。名前は「透かし百合」で、花被片の基部が細くなって隙間があることから。
 茎には稜があり、6〜7月にその頂に径13センチ前後の大きな花を上向きに付け、花被片の内側には赤褐色の斑点がある。
 北海道や本州北部には、近いなかまのエゾスカシユリ(L. dauricum )があり、花柄には白い毛が密に生え、花は本種よりもひとまわり小さい。
 なぜ花被片に隙間ができたのか。以前読んだ本には、花被片や花弁が隙間がない漏斗状で、しかも上向きに付く花の場合は、雨が溜まって受粉の障害になるからと書いてあった。なるほど。それは納得できる説明ではある。隙間が空く形質を持つ個体だけが自然淘汰された結果というわけか。

関連情報→本サイト植物記「ヤマスカシユリ」「エゾスカシユリ



静岡県伊豆半島に咲くスカシユリ



  
 CONTENTS 
 
   
 

Nature
植物記