Nature

一種一種、植物を取り上げて、その植物にまつわる話題を写真とともに紹介します。

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植物記
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麻糸を巻いた管に由来
オダマキのなかま

キンポウゲ科
Aquilegia buergeriana
 
(ヤマオダマキの学名)
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 キンポウゲ科オダマキ属の多年草で、一番目にする機会が多いのは、山の草原や林縁などで見かけるヤマオダマキだろう。紫褐色の萼片と上にのびる距が目立つが、淡黄色をした部分が花弁にあたり、よく見ると距の先は球状になっているのがわかる。花期は6〜7月。果実は袋果だ。名前は「山苧環」で、苧環とは昔、麻糸を巻いた管のこと。花の形がそれに似ていることから名付けられたものだ。なおヤマオダマキのうち、黄花品をキバナノヤマオダマキ(f. flavescens)、距が内側に巻き込むものをオオヤマオダマキ(var. oxysepala)と呼ぶ。キバナノヤマオダキは、中間型も含めると比較的よく見かけるし、完全な黄花品にも時々遭遇する。
 一方、高山帯の砂礫地に生えるのはミヤマオダマキ(A. flabellata var. pumila)。印象的な青紫色の花を咲かせるので、高山植物の中でも目立つ存在だ。北海道の利尻島には距がないものがあり、これをリシリオダマキ(f. konoi)と呼ぶらしい。利尻山に行ったときはそれらしいものは目にしなかったが、一度見てみたい。萼片の基部はどうなっているのだろう。
 また本州関東以西〜九州の低地に生えるヒメウズもオダマキ属に含めることもあるが、距がないことからヒメウズ属として分ける見解もある。ヒメウズは本当に小さな花だが、ルーペで拡大するとオダマキに似ていることがわかる。以前は広島の実家の庭にも生えていたが、その後見かけなくなった。

関連情報→本サイト植物記「ヒメウズ



岐阜県恵那市の山間を抜ける市道沿いにびっしりと咲いていたキバナノヤマオダマキ。山でもこんなに高い密度で咲くのは見たことがない

 
長野県・志賀高原で見かけたヤマオダマキ(左)。岩手県・早池峰山に咲くミヤマオダマキ。早池峰山のミヤマオダマキの萼片はやや閉じ気味の傾向があるように感じる(右)。

  
ヤマオダマキの花。距はまっすぐのびる。新潟県・火打山(左)。オオヤマオダマキの花。距は内側に大きく曲がっている。福島県・伊南村(中)。ミヤマオダマキの花。北海道・斜里岳(右)。

 
ヤマオダマキの完全な黄花品。これがキバナノヤマオダマキ。長野県・志賀高原(左)。しかし、中には萼片や距に紫褐色が少し残る中間型も見かける。山梨県・櫛形山(右)。


  
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