Nature

一種一種、植物を取り上げて、その植物にまつわる話題を写真とともに紹介します。

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植物記
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南九州に分布するノカンゾウ似の花
トキワカンゾウ

ユリ科
Hemerocallis 
fulva 
var. sempervirens
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 前項にひき続き、屋久島で見た植物をもう一種紹介。トキワカンゾウという名前を聞いたことがある人は少ないだろう。見たところノカンゾウによく似ているが、ノカンゾウと同じくホンカンゾウの変種のひとつで南九州の低地に分布する。別名をアキノワスレグサという通り、開花は秋だ。
 屋久島で見られることはわかっていたので、9月下旬のある日、ヤクスギランドの取材を終えたあと、あてずっぽで安房の春田浜へ車で行ってみた。季節外れの海水浴場は閑散として誰もいないし、本種も含めて野草の花はほとんどなかった。付近をひと通り散策後、あきらめて尾之間方面目指して県道へ戻りかけると丁字路になった分岐の真正面に咲いているのを見つけた。先ほども通った場所なのに気づかなかった。早速三脚を立てて撮影したのが下の写真。あとで注意して車を走らせていると、一湊付近など数カ所にも生えていた。
 本種は『屋久島の植物』(南方新社)には載っているが、説明は簡素なので詳しいことはわからない。ほかに分厚い植物図鑑も何冊かめくってみたが、掲載されていなかった。「日本産植物」と銘打っていても掲載に限度があるから当然なのだが、一方、屋久島も含めて南方の植物に対する研究がまだ不十分なこともあるだろうし、このような種に対する情報需要が高くないことも一因かも。

関連情報→本サイト植物記「ニッコウキスゲ(ゼンテイカ)



ノカンゾウそっくりのトキワカンゾウ。おそらく冬でも葉が枯れないから「常葉(トキワ)」なのだろうが、その真偽も含めて本種の情報は少ない。


  
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